調香師のカリーヌ・ヴァンション・スペナーが、ニューヨークを舞台にしたイーディス・ウォートンの『無垢の時代』から着想を得て生み出した「スタッカート」は、良識と欲望の葛藤を表現。
ジャックミノーとドライローズが織りなす繊細なバラの香りに、甘いハチミツと刺激的なジンジャーが加わり、心惹かれる魅力を放ちます。
レザーノートとスパイスの組み合わせは、同書の一節にあるように、遥かかなたのバザールを連想させます。
病みつきになりそうなウッディ レザー調の「スタッカート」は、チャイニーズ シダーウッドとタバコでほのかなスモーキーさを演出する一方で、アンバーグリスで暖炉の炎が揺らめく情景に命を吹き込み、この小説の時代背景を物語るかすかにクラシックなモダニティをもたらします。
「彼はたくらみを見破ろうと、手掛かりを探した。
椅子とテーブルの組み方、肘元にある細長い花瓶に2本だけ生けられたジャックミノーのバラ（普通なら1ダース以上買うはず）、そして、その場にはハンカチにつけるようなものではなく、どこか遠い異国のバザールの匂いのような、トルココーヒーとアンバーグリス、ドライローズが織りなす香りがほのかに漂っていた。
これらに糸口はないだろうか。
」 『無垢の時代』イーディス・ウォートン著